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月明かりと赤キ蝶

こちらは(株)トミーウォーカー様のPBW「Silver Rain」のキャラブログとなります。

   

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注意につき

少し暗いかもしれないSSです。
昔のお話。

閲覧注意。

助けてとどれだけ叫んだのだろうか
誰も答えてくれるはずのない言葉としても、口を衝いて出る。

皆見ぬふりをした、いないものだと判断した。
関われば自分たちが危ういのだから。
助けはなく、自分が切り開くすべがなければ受け入れるしかない。
もう、諦めたほうが・・楽だから。

冷たい牢屋の中で、私は・・生を何度後悔しただろう。
母は私が幼き頃に亡くなり、父は会いに来たことさえない・・故に顔は知らず。
生まれたことにより母にも迷惑をかけ、生きているだけで疎まれる。
それでも守ろうとしてくれただけで・・嬉しかった。

涙は出ない。
枯れたのか、自分が受け入れて悲しみという感情を放棄したのかわからないけれど。

笑うことも泣くことも。
全て自分の思うままにはならない、人形でいれば周りは満足のようだった。
ただ家柄のために立ち振る舞う意志なき操り人形。

能力者というものが珍しい、その理由のみで生かされている。
屋敷外へ出ることは一生ない、そう思っていたから不思議だった。

制限はついたままではあるが、「自由」、だと。
誰にぶたれることなく何を強要されることなく、自分で考える・・自由。
首輪付きで何が出来るのか試されているのはわかってた。
万一反抗的ならば罰が来ることも。
長は気まぐれ、こんなことは二度もない。

それでも私は・・。
人形でなく、記号としての名称でなく、ただ・・

ただ・・「夜色」として短い時間でも生きたい。
「私」として、生きてみたい。

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